人生のスタンプラリー

人生のスタンプラリー認定協会埼玉支部

オーバーリングギフトという名作をみんなに見てほしい話

オーバーリングギフト観てきました。たぶんネタバレしてない、というか当日券並ぶべきか迷ってる人に向けて「迷ってるくらいなら当日券並べ!!!!!」って言うための記事です。以下、僕の主観と偏見に満ちた感想とダイマをお届けします。客観的な感想が見たい人は他へどうぞ。


6/16だったので初日の翌日、2回めの公演。
http://www.amuse.co.jp/stages/org/

アミューズ若手アーティストによる、オリジナルミュージカルプロジェクト」ということで、脚本もキャストも音楽もみんなフレッシュ。脚本と演出の風間由次郎さんがやりたいと思っていたことが実現した、そんな舞台。若い力がアミューズを動かして実現したような舞台。ちなみに脚本と演出の風間さんいま29歳。

事前に、前向きな意味を多く含んだ激励としての「荒削り」「まだ伸びる」「脚本のツメが甘い」という感想をいくつか見ていたからどうかなあと思って行ったのだけれど、いやーーーー最高でしたね。たぶんね、来年の風間由次郎さんには同じ脚本は書けないし同じ演出はできないだろうと思う。役者陣もそう。2017年にしか、いましか見られない舞台。そういう瞬間の目撃者になれた、そんな気持ちがしています。

確かにまだまだ荒削りな要素はたくさんあったけれど、それを上回る一体感と役者陣の気合い!熱がすごくてそれに浮かされているような気持ちでした。あれスタッフさんもみんなそうなんだろうな。たぶん一種の若気の至りみたいなもの。でも、あの素晴らしい舞台を作っているのが僕とさほど歳の変わらない人たちなんだと思うだけでゾクゾクした。らしくもなく、こんなヤバい同世代がいるんだから僕もまだまだもーちょいやれんじゃね?なんて思っちゃった。でもそういうエネルギーをくれる舞台。きっと来年には味わえない感覚を味わった。

もちろん脚本が完璧だったとは言わないけれど、ブラッシュアップできる箇所は脚本のみならずたくさんあったと思うけれど、それを凌駕できるほどの熱量だった。それに僕はあの展開も終わり方もすごく好み。
あらゆる創作物において、「余白、行間、続きを、読者に委ねることのできる」作品が好きなんだけれど、オーバーリングギフトはそうだった。特に終わりとその余韻が。続きはどうぞ、ってペンを委ねられたような気持ちになった。だからいろんな人に見に行ってもらって、いろんな人の感想が聞きたい!話したい!そんなふうに思う舞台でした。
で、オーバーリングギフトを見て、風間由次郎さんはきっとそういう、読み手(オーディエンス)を信頼して行間を委ねることのできるタイプの創り手さんなんだろうなと思いましたね。
好きです。

無理矢理な言い方をすると「うすっぺらい男が重厚に成長して"あるもの"を手に入れるまでの物語」なのだけれど、物語が進むにつれて俳優さんたち面持ちや目力が本当に変わっていくの。あれに心動かされてしまった。どうしようもなくて視線がそらせなかったよ。
そしてこの「あるもの」がなんなのかは、きっと観た人の数だけ答えがあると思う。手に入れた先に関する感想も、観た人の数だけきっとある。

アミューズで脚本と演出して出演するといえば我らが岸谷さんで、その横には寺脇さんという最強俳優がいらっしゃる。そんな先輩がたを見続け、そしてその先輩方に与えられたチャンスで着実に実力をつけてきた風間由次郎さん(脚本・演出)と猪塚健太さん(主演)だからできた舞台なんだろうなっていうのも感じた。
これは先輩方お二人も嬉しいだろうなあって。自分たちの作品の宣伝の企画とかその演出とかを託してきた後輩のこの開花。いやあほんと、アミューズの将来は明るいわ。
これからこのふたりにはガンガン舞台作ってやり続けてほしい。見に行きます!!!!!

まず演出は正直かなり攻めててすげえ好みだった。若手だからできることたくさん試してるなあっていう良さ。ピカピカギラギラゴテゴテ、最高!これまじネタバレになるからなんも言えねえ〜〜!!!みんな当日券あるから見に行ってくれ!!!!(なおここからこの記事終わるまで当日券あるから行けって言いまくります)。

あと音楽!!!あまりにもWEAVERの良さが出てて、なのにちゃんとミュージカル音楽で、感動した!!!めっちゃよかった!!!!(WEAVERは出演者と同じアミューズ所属のピアノ・ロックバンド。超かっこいい)
ダイヤモンドの原石たる脚本を磨く音楽で素晴らしかった。これ杉くんのつくる音楽好きな人は見に行くべきだし、音楽が上質なミュージカルが好きな人も行くべき。観に行った人みんなオーバーリングのサントラ欲しいと思ってるでしょ?僕は思ってる超思ってる。
音楽をメインに展開するシーンとかもあるから!みんな当日券あるから見に行ってくれ!!

あと役者みんなそれぞれスーパーカッコよかった……あれはご自身も役者でいらっしゃる風間さんだからこそ全員の良さを活かせたんだと思う、それくらいみんなハマリ役!
いやまあ推し贔屓あるかもだけど猪塚さんがめちゃくちゃカッコよくて…顔面もなんだけどやっぱり僕は猪塚さんの演技が好きだ…って痛感したよね…あの場面もあの場面も全部素晴らしかったし、あれをディレクションしているのが風間さんなんだと思うともう…アミューズの将来は明るい……。
人間の喜怒哀楽も絶望も怒りも愛もすべて体現するあのからだ、役とともにお芝居の真っ只中に成長なさるそのお姿!目の裏に焼き付いてる。そしてあの俳優向きなお声よ!くやしいなに言ってもネタバレになる!ほんと良かったんだよ!作中で最も最初と最後で顔つきが変わるのはきっと猪塚さんの役。あれを演じきるの、本当にすごい。鳥肌立ったよ。
みんな当日券あるから見に行ってくれ!!!!猪塚健太の演技があまりにも最高だから見てくれ!!!!

そして溝口琢矢くん。めっっっっちゃくちゃ可愛かった。彼がアミューズのおしゃべりクソ野郎だと知る前の僕が抱いていた溝口くんのイメージまんまだった。存在が光放ってた。でもそういう演技ってとても難しいんだよね、明るい子ってときどきバカに見えてしまうから。でもそうじゃないところも全て演じてくれてた。さすがすぎた。あと改めて思ったけど瞳で語るタイプの役者さんなんだなあ。目が雄弁。なのにドリフェス!で声優としても成長してるのほんとすげえな。

冨田健太郎くんも。どうしてもドリフェス!の印象が強かったけど、それを良い意味で塗り替えてくれた。そういう演技もできるんだ!?っていう感動をした。ていうかあれはあの役をトミーにくれた風間さんがすごいと思う。あとひたらすら顔面が綺麗。あと歌がね、よかった。アイドルモードのときには絶対聞けないであろう歌い方、歌声。決して喜びではない歌。あれに心臓ぎゅーって掴まれたような感じで、唇を噛んだシーンがあった。ネタバレになるからなんも言えねえ…。

溝口くんとトミーに関しては、ドリフェス!のライブを見たあとだからなおさらな面もあるけれど、俳優である彼らを好きになれてよかったなあと。もし彼らがアイドルだったらきっとハマってないから。
みんな当日券あるから見に行ってくれ!!!!!

ゴリさんこと加藤潤一さんマジ最高だった…キーパーソンというか彼ありきの舞台だったのかな?って思ったくらい。一歩間違えれば嘘に聞こえるセリフを真実と思わせてくれる役者さんってそんなにしょっちゅう出会えないけれど、ゴリさんはそれができる人なんだ、って思った。歌が抜群に上手いんだけど、そのお歌の説得力もすごかった。みんな当日券あるから見に行ってくれ!!!!

島ゆいかちゃんは初めて拝見したのだけれどアミューズまじ何人秘蔵っ子出てくるんだよ!?って思ったしめちゃくちゃ可愛かった…あんなに可愛らしいヒロインが似合いそうなルックス(めっちゃかわいい)と歌声(かなりうまい)の女の子にあの役柄とあの展開を与える風間さん天才かよ!!ってなったし、それに答えてみせる島さんもスゴい。これから注目する俳優さんに決まり。みんなもそんな島さんのキュートっぷりに打ちのめされに当日券あるから見に行ってくれ!!!!!

そしてねーー中村百花さん。このかたの演技も初めて拝見したのだけれど、正直いちばん泣かされた。大人の色気と余裕、そして迫力。ど迫力よ!ゴリさんと同じく役に説得力を持たせることが上手すぎて鳥肌が立つくらいだった。ゴリさんと百花さんの演じるキャラはへたすれば「こんな人現実にいるか?」ってかんじなんだけど、そう思わせないほどの演技の説得力。あとひたすらに歌がうまかった…聞き惚れた…あれは誰だって聞き惚れてしまうし興味を持ってしまうしあのシーンのあのキャラの気持ちもわかるわあ……ってかんじだからみんな当日券あるから見に行って!!!!!!!!!!

2回め見に行くのが今から楽しみ!だし、当日券追加真剣に考えてる。みんな劇場で会おうな!!!!当日券並んでくれ!!!その価値はきっとある!!!!いまを逃したらもう見られない。
あなたが何をどんなふうに感じて受け止めたか、それを知りたい。僕の好きな人に見てもらって、どうだった?どう思った?って感想を共有したくなる、そんな舞台です。