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推しハシゴdaysに思うこと+パコと魔法の絵本のネタバレなし感想(8/26ネタバレ追記)


たびたび言いますが、僕はただのポルノファンだったんですよ。それがこの2日まードリフェス!劇プレ!戸谷さん!って推し巡りツアーみたいになってて。

わざわざ町田でドリフェス!の缶バッジチャレンジしてからの劇プレ・ウラブー初日からの今日のパコというこの推し事二日間、先々月くらいの僕が組んだスケジュールなのだけれど、それと向き合いながら、なんかふっと目が覚めたように、なんでこんなことしてんだろ、ってなった瞬間があった。今日。
それこそ僕人のこと追いかけるより先に自分のことなんとかするべきなのでは…?とか。そもそもなんでこんなに夢中なんだろう、とか。それこそ逃げなんじゃないのかなとか。
まぁいろいろ思ったりもしてちょっと考えてしまったのだけど、それより気づいたことがあって。

僕お芝居にしろライブにしろ終わった後にみんなと素晴らしかったね、素晴らしかったねって話してる時間が好きなんだな。

その時間があってはじめて見たもの与えられたものが自分の血肉になって自分がすこしだけ前に進めたり強くなれたりする気がする。あとなにより素敵だとか綺麗だとか思うものを人と共有するのが大好きなんだなって思った。
人と快感を共有する瞬間、ほんのすこしだけどなにかから解放されたみたいな幸せを噛み締めていられるんだよな。ライブとかもうそのまんまだけど、現実からふわっと逃れて踊り狂って音楽に浸りきったり、美しいものに身体ごと溶かされたり、文学世界に溺れたり、そういう時間がないとますます生きづらいんだ。でもそういう時間があると、すこしだけ延命措置を自分に取れるの。
だからしばらくはこういうことし続けるんだろうなと思うし、終わった後にそれを共有してくれる人がいてくれたら嬉しいです。
まさか俳優とか2.5次元に自分が落ちると思ってなかったし自分の血眼っぷりにちょっと引いてるけど笑、なんというかいま「趣味、人」を噛み締めてる。


というわけで今日は!三推しのひとりである戸谷さんの出てる!
「MIDSUMMER CAROL -ガマ王子vsザリガニ魔人」観劇でした!ネタバレしない感想というか個人的な覚書き!
パコと魔法の絵本
お話も面白かったし最高ポイントはいくつもあるんだけど、戸谷公人さんの演技が素晴らしすぎて魂抜ける。ドリフェス!からのあたっくからのファイブからの室町さん、役の振り幅たるや!その巧さたるや!本当に憑依型の役者さんだなと思った。マジで、役ごとに別人になってしまう。目の色からして違う。今日は三列目だったからなおさら、戸谷さんを観にきたはずなのに、室町くんに夢中になってた。
そういう憑依型の役者さんにめちゃくちゃ弱いんだよなあ僕。ほんと、顔と演技の両方に惚れたら、それはもう落ちるしかない。

室町くん、めちゃくちゃ可哀想なんだけど、でも彼を可哀想と言ってしまうのは自分を可哀想と言うのと同じになる気がして言えないなって。だからあの終わり方とてもよかった。あとあの役を戸谷さんにやらせるのキャスティング最高。だって彼、いくつから芸能界にいるのよ、ねえ?ってかんじ。
いやほんと最初の登場シーンからテンション一番上がったところ、顔死んだところ、テンション一番低いところ、血眼になるところってほんと見所しかない役だったんだけど、ずーーっと戸谷さんじゃなくて室町くんで怖かった。なんていうかあの役柄で、あのセリフ言いながらあんなことしながら、あの顔面の美しさは恐怖だった。美しいは暴力と恐怖を生むね…。

あと個人的に室町くんのセリフ全体的にしんどかった。わかる…ってなってた。僕はとっている手段が違うだけで同じことしてる。だから最後ああなって本当によかったなあ、って。自分の殻みたいなものとか、自分で自分にかけている呪いとか、自分の中の恐怖心との戦い。みっちゃんのおかげでもある。僕にはたぶんすでにみっちゃんみたいな人はいてくれているから、僕もああなれるかな。

室町くん以外の感想を言うと、主治医の人の演技がメッッチャ優しくて好きだったなあ…心やすらぐかんじ…ハマリ役!ってファンの人からは言われるんじゃないかな。
あとなによりなっちゃん!!!!!!タマ子さんね、最高だよ最高オブ最高、役も演技もめっちゃよくて名前覚えた。川口莉奈さん!めっちゃよかった!次観に行くときはタマ子さんどっちなんだっけ。楽しみだな。

あとまさかの、オーバーリングに引き続き株元さんとの現場被り。夜公演あるのに観に来るなんてシンメ最高…。

あとこっからすこしだけアフタートークのメモ。
アフタートークは戸谷さんが室町以外の役を演じるなら?パコ!というところからパコのセリフ言ったときに会場がキャー♡♡ってなって、MCの谷口さんが「俺が言ってもキャーならんかったやん!」みたいなことを言ってたのがめちゃくちゃ面白かった笑
あと室町くんを演じてると、戸谷さんはポジティブなのにちょっと室町くんを引きずってしまうらしいです。そりゃそうだわあんな役をあんだけ演じきったらそうなるわな。
あとダイノジの大地さんがアフタートーク乱入してきて笑、盛り上げてくれて面白かったんだけど、食べてたどら焼きをセットの上に置いたとき戸谷さんが「いやセットの上に置くなよ」って冗談っぽく、でも真面目に言ってて好感度が爆発した。プロフェッショナルは、他のプロフェッショナルにも敬意を払う。すてきでした。
室町という役がちょっとアレな役だったから、室町くんのままアフタートーク出てきたらどうしようって思ったけど、ちゃんと戸谷さんで出てきてくれて安心した。相変わらずすてきなお兄さまでした。

この2日で三推しを一気見して思ったのは、
猪塚さんはすごくいい意味で一貫して猪塚さん。だからこそ舞台の上に満ちるその場の生きた空気とか瞬間の奇跡を拡大して会場中に広められる拡大鏡みたいなお芝居する人。オーバーリングのときとか完璧にそうだった。それはそれで大好きだし、類まれな才能だと思う。役と手を取り合いながら、舞台のその瞬間に呼応して行く。
戸谷さんみたいな憑依型俳優はもう言うまでもなく大好き。前の舞台だったあたっくのときも寺内中尉!って思ったし、今回も室町くん…ってなったし、テレビドラマのファイブのときは会ちょ…トッシイイイイイイ♡♡♡♡だし、世間的な評価は知らないけど僕の好みど真ん中の演技をする人であることは間違いないことが確定してしまったよね完全にね…顔と演技に惚れて声に惚れてあとどうしろと。推します。
あとはもっと株元さんの演技が見たい。演技もっとたくさん観たい。テレビでてくれ舞台出てくれ。どんな演技をするのかもっと観たい。

 

 

 

*****

 

以下、2017/08/26ネタバレ追記。
個人的にめちゃくちゃずーんときたところの記憶が消える前のメモ。
ネタバレあるのでお気をつけを!

 

 

 

 

室町くんのね、
「死ぬのも怖いのに、生きてるよりマシだって思っちゃうんだ」
って台詞があまりにも重かった。そのくせ死ねないあたりが、もーー重かった。
なんでかっていうと僕もそうだから。希死念慮つよい。死にたいし、自傷もするのだけれど、死ねないだけで。クスリはやったことないけど(買えもしないしね)。でも楽になるために死にたいのかと問われたらそれは半分だけで、あとの半分は死への恐怖が色濃くある。それでも、今この目の前の現状に立ち向かう力が出ないときは、とりあえず逃げたくなってしまう。ここではないどこかに行けるならどんな道でもいい、誰に何を言われてもいい、とにかく逃げたいって。そうなってしまうし行動もしてしまう、生きてるよりマシだって思ってしまう。
でも怖いから死にきれない。
どっちつかずで、中途半端で、現実に向き合って立ち向かう勇気すらなくて、そんな自分がますます受け入れられない、逃げたい、死にたい、そういうループ。
だからこそ、「可愛い」しかできない、って言いながら猫耳フードでウイスキー飲む室町くん、しんどすぎて唇噛んだ。

戸谷さんだったらさあ、絶対言わないんだよ。すくなくともファンの前ではそんなこと言わない。一緒にでかい景色見よーね、だからついてきてねって言ってくれる。
だけど演じてるときは戸谷さんのかけらもないからさあ。顔面の美しさとスタイルの良さだけだよね戸谷さん要素。あとは本当に見事なまでに室町くんだったから。表情も声色も。だからこそ、あのセリフ、キツかった。

そんな室町くんの目を覚ます強いオタクみっちゃん、端的に言って、最高。
だって室町くんは、あそこではじめて「可愛い」じゃなくなった自分と向き合えたわけだから。中途半端で、現実に向き合って立ち向かう勇気なんかなかったひとが、はじめて自分と戦えた瞬間だから。逃げるんじゃなくて、前を向いた瞬間だったと思うから。

ひとと対峙するって勇気がいる。それは自分なら当然そうだし、他人でもそう。他人と向き合うのって自分と向き合うより簡単だ、っていう場合の「向き合う」ってとても刹那的なんだよね。人と本気で対峙して向き合おうと思ったら、それこそ、その人の未来にまで責任を負う覚悟が必要。
みっちゃんはそれを、室町くんにしてくれた。
あの、外出許可出すから満喫行ってこいのシーンも、脚本を読ませるシーンも、観ながらみっちゃんはなんて強いひとなのだろうと思って、羨ましくて苦しかった。
同時に、僕はああなれるかと自問した。僕はみっちゃんみたいに、人の弱さにも脆さにも向き合って対峙して、それを鼓舞することができるかな。お前なんか弱くてダメなやつだって、諦めろって否定するのは簡単だけど、そういうことじゃなくて。
僕はよく、僕の言葉の花束から抜いたその人のための花を押し付けたいって言うのだけれど。僕がその人を呪い続けた言霊が、いつかその人を守る瞬間がきたらいいなって。ハリーポッターのママがハリーにかけた魔法みたいに。
その花は、受け取ってくれればその後どうされても受け取り手の自由だけれど、その人の未来に残ってほしいという気持ちはある。僕のことなんか忘れて構わないから、その瞬間に僕が尽くした誠実だけは消えませんように。その瞬間に尽くした全力だけはその人の味方でありつづけますように。みっちゃんはそれができる人なんだなって思ったら、すごく、羨ましかった。でもみっちゃんがそれをできたのはさ、役者だった室町くんのファンだからこそなんだよね。ファンのエゴで、室町くんなら大丈夫って信じてる。あれはエゴ以外の何者でもなかったと思う。
でも、誠実なエゴって究極の愛情の形のひとつだな、と思った。恋愛だけが愛じゃないよなあ。パコと大貫の愛…無垢なこどもに浄化されたいオトナの独りよがりが、本当の愛に変わってゆく過程の話でもあったけれど、同時にみっちゃんと室町くんの、「応援することとされること」「応援されることで発揮できる全力」「そこにある誠実」という、誠実という種類の愛の物語でもあったなあと思う。昔から僕は自分が絶望的なまでにエゴイストなのだけれど、エゴイストだからこそつくれる誠実も、エゴイストだからこそ手渡せる愛もあるんだって思わせてくれた。
ウラウラブーストを見たあとだったからなおさらそう思ったのかもしれない。応援という愛の形に伴う責任と、どちらかが応援したりされたりして終わるだけじゃないということ。そして応援って、とてもエゴイスティックな行為であるということ。エゴだからこそ、誠実になれるということ。

これは蛇足だけど、ダブルキャストで結構客席の埋まり方に差があって、戸谷さんのおたくだけで満席にできなかったの悔しいので働いて金を稼ぎます。どっちも素敵だったけど、個人的には川口みっちゃんとくぎゅママの組み合わせが好きだったな〜。
あと「なぁ、患者とそーゆーことになったりすんの」的な絡み方する室町くんが性癖どまんなかでああいうクズ男だいすき!サイコー!なんて素敵なキャスティング!って今になれば思うので、はやくDVDで冷静に見たいです。舞台中は本当にそれどころじゃなかったから笑
できることなら大阪公演行きたいよ(からっぽの財布を見ながら)。