人生のスタンプラリー

人生のスタンプラリー認定協会埼玉支部

ダイアリー 〜19/11/19

芳香剤が臭い。
我が家の主導権ならびに決定権はすべて父にあり、どれだけ腹が減っていても父が優先だし、風呂に入っていても父が帰宅して入ると言えばすぐに上がらなければならない。入り直す必要があることさえある。なので嗅覚がぐらぐらするような芳香剤がリビングに置かれていたり、たまに僕のアウターになにか香りのすごいものがぶちまけられていたとしてもそんなものは受け流さなければならない。
父のことは尊敬しているしすごく好きだけれど、父ファーストすぎてたまに家を出たくなる。出られたらいいけど金も自殺しない意思もないので出られずにいる。

サッカー日本代表が大敗しているので見るのをやめた。
今日、僕は仕事を休んだ。
サボった。
丁寧に順から話すと、10分寝坊したのだ。すこし急いで準備しないと事業に間に合わない。でも、急いで準備をするというのがあまりにも億劫だった。億劫すぎて、あまりにも仕事に行きたくなくて、ああ仕事行きたくないなあ、と思いながら着替えていた。あんまりよくないなあ、と思って、軽めの吐き気をもってトイレに行ったら朝食をすべて戻した。
朝ストレスで食事を戻してしまうことが多くて、朝ごはんをあまりがっつり食べられないのが吉と出た。親にハイターを貸してほしいと声をかけたら熱を測れと言われて、測ったら37.8あった。平熱よりちょうど1度高い。けれど寝起きの体温の高さに鑑みれば、出勤できないレベルではない。
というか本当は、仕事には行かなければならない。仕事には行かなければならないし、生活をしなければならないし、やらなければならないことは山ほどある。
でも、熱と嘔吐という免罪符を手に入れた途端、体はピクリとも動かなくなった。半端に着替えていたシャツに指をかけたままぼんやり遠くで職場のにおいがする。行かなきゃ。仕事だ。締め切りが近いものはなんだっけ。今日は全体で何か会議があったはず。行かなきゃ。……また吐いた。
さすがに電車にはもう間に合わないので、職場に連絡をした。上司はいい人なのだがすこし喋り方の調子がキツくて、「またか」と言われたその一言がキツかった。そういえば昨日も途中駅で過呼吸を起こして医務室で休ませてもらい、遅刻したのだった。
上司にはインフルエンザの検査に行くようにと言われた。休んでも構わないと。病院が始まるすこし前に熱を再度測ったら37.1に落ち着いていた。たぶんインフルじゃないだろうと思った。念のため病院に行ったら、土曜日に予防接種打ったばかりなのにねとかかりつけのお医者さんが微笑んで検査してくれた。陰性だった。
だから、この陰性の結果が出た時点で、僕は出勤できたはずだった。でも出勤できなかった。病院の前の公園でうずくまって動けなくなり、通院しているのであろうおじいちゃんに声をかけられた。大丈夫です。そう言って、家に帰ってきて、布団でうずくまって訳がわからないまま寝落ちた。

僕は仕事に行かなければならないのにそれを放棄した。最悪だ。死んだほうがいいと思う。
普段から熱心に働いている人がたまに有給を使ってリフレッシュするのは素敵なことだと思うし支持するけれど、僕は普段から仕事のクオリティはゴミだし同僚にも迷惑をかけ続けている。昨日も1時間遅れているし、今日だってもし時間にすごく余裕を持って起床していたらなんだかんだで出勤できたかもしれない。上司に明日なんて謝ったらいいんだろう。ただ死にたい。働けないことで周囲に迷惑をかけたうえにさらに自分が傷つくなんて身勝手極まりないので死ねばいいと思う。もともと歩く公害の粗大ゴミなのになんで生きながらえているんだろう。

今の職場だって、そりゃあ、腹立たしいことやふざけんなぶっ殺すぞと思うことはたくさんあるけれど、いままでいたどの職場よりもずっと良い環境で働かせてもらっている。愚痴を聞いてくれる同期もいる。ムカつくよねえ、と一緒に笑ってくれる先輩もいる。上司はもともと言い方がきつくて声が大きくて怖いけれども、根っから悪い人なわけではない。

仕事に行かなきゃならない。わかっている。
ここ最近の異常な過眠が朝起きることの足を引っ張っている気もする。休日は20時間くらい寝てしまう。そのの正体が、毎年恒例、季節性うつ病(要するに冬うつ)なのかもしれない、と思う。だとしたら今年の冬うつは強烈すぎる。現在の抑うつが重いからかもしれない。輪をかけて憂鬱だ。

でもなんにしたって最悪なのは僕だ。
仕事をする、生活をする、地獄以下の自分をなんとかマシにする、公害な容姿をどうにかする、ゴミ屋敷と化した部屋を片付ける、やらなければならないことはたくさんある。
その中でも第一優先であるはずの仕事も、なんだかんだでこうやってサボるのだ。吐いた?熱がある?僕のそれはどうせ心理的なもので、まわりにウイルスを撒き散らすものではない。どうせ迷惑かけるならできる仕事くらいやってから死ね。そうわかっているのに仕事から足が遠のく。今日も自分は最低だと思う。


ここまで書いたのでテレビをつけたらサッカー日本代表が1点だけ取っていた。後半44分。追いつくかもというわくわくすらない点差だ。僕が代表サポならもうスタジアムから帰るだろう。