人生のスタンプラリー

人生のスタンプラリー認定協会埼玉支部

NAKED

 

ティーン時代に前の記事みたいな曲を聴いて育った。当時聞いていた音楽からきっと僕は∠RECEIVERにたどり着く運命だったんだと思う。
なら、そんな僕が24ちゃいになると、どんなものを聞くのか。何を感じるのか。

今回このためにウォークマン見ながら曲をピックアップして気付いたけれど、僕ってどこまでも「さらけだして」いるよね。隠していない、というか、隠せないっていう方が正しい。なにもかもすべてカミングアウトして生きているというか。隠すこと、黙ることも美徳だけれど、僕はさらけだすことしかできない。そうやって言葉として、あるいはなんらかのかたちで残すこと、誰かに見える形にしておくことが、僕のひとつの行き方みたいなものなのかもしれないなと。
開かれているからこそ受け止めることもできるし、打ち明けられることもある。
オープンでネイキッド。クローゼットから飛び出して、大好きな服を着て、自分をそのままさらけだすこと。存在そのものが開けていること。そういう風でありたいなと思う。

 

順不同。歌詞だけ。完全に自分用のメモ。自分洗脳用ソング。
好きな歌!でやったら全く別物になると思う。


NEWS・四銃士
「そう我らは四銃士
銀の十字架背負い
白い羽根つけた
鍔広帽を身につけて
笑いたけりゃ 笑えばいい
貫いているモノに
嘘偽りはない
僕はだから 揺るがない」

RAGE IDENTITY・VALSHE
「この声も顔も身体も髪も
いま残らず全てをさらけ出す
引き返す場所なんてない それが「証明」」

naked mind・KinKi Kids
「自分が自分に 捕らわれてちゃ そう 辿り着けやしないから さらけ出せ」

REVERSI・UVERworld
「逃げてもそれなりに幸せなこの世界で
まだ此処じゃないと言えるから」

7th trigger・UVERworld
「もう覚悟は出来てる
かかげた理想と心中しちゃえるくらいの」

fight for libertyUVERworld
「人生が二度あるなら こんな険しい道は選ばないだろう
でもこの一回 たった一回しかチャンスが無いのなら
何かをもう傷つけ傷つけられたとしても
後ろに明日は無い 力を宿せWAR」

SUN・星野源
「祈り届くなら 安らかな場所にいてよ
僕たちはいつか終わるから 踊る いま いま」

LOSER・米津玄師
「耳をすませ遠くで今 響きだした音を逃すな 呼吸を整えて
いつかは出会えるはずの 黄金の色したアイオライトを きっと掴んで離すな」

WODDEN DOLL・米津玄師
「あなたが思うほどあなたは悪くない
誰かのせいってこともきっとある
痛みを呪うのをやめろとは言わないよ
それはもうあなたの一部だろ
でもね、失くしたものにしか目を向けてないけど 誰かがくれたもの数えたことある?
忘れてしまったなら 無理にでも思い出して
じゃないと僕は悲しいや」

2012spark・ポルノグラフィティ
「それがこの時代だとか言われたら なんとなく頷いてしまいそうにもなる
では誰のための時代か? 問うたなら
そんなもん 俺達の為なんだと
得意げな顔をして言い切ろう
立ち回り入り乱れ食らいつくLITTLE SPARK」

FLAG・ポルノグラフィティ
「燦然とキミは頭上へと光り輝く旗をたなびかせ
颯爽と今を駆け抜ける使命を持っている 道は険しくとも
愛も仁義も風林火山も平和も絆も希望もambitiousも
この時代には全部正解で一人一人が試されている
僕はそう思うけどキミはどうする?」

good luck to you・ポルノグラフィティ
「お前はゼロじゃないから」

stand alone・ポルノグラフィティ
「逃走だ 行き詰まるほどの 窮屈な毎日に
小さな奇跡を起こせ 誰も気づかなくても」

エピキュリアン・ポルノグラフィティ
「ボクらは今日よりも明日の方が幸せだと強く信じよう いつでもドリーマー」

幸せについて本気出して考えてみた・ポルノグラフィティ
「どうにか勝ち越してみたい 幸せ全勝狙い」

電光石火・ポルノグラフィティ
「電光石火で夢の中までキミの中まで
脇目も振らず走り抜くオレ 様になってたから
まだ見ぬ未来を憂うのはヤメにして
踊らされて曲がりくねった自分らしい道を
ギラギラとカッコつけてぶっ飛ばそう」

瞬く星の下で・ポルノグラフィティ
「信じるという言葉を 君は子供っぽいと笑うかい?
見渡す限りの荒野で 行き先を示すもの
胸に抱いて歩いてこう 世界がわずかに輝く」

真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ・ポルノグラフィティ
「Hey Sister 光と闇はいつも隣り合わせにあって そのど真ん中に立っていること 誰も教えてはくれない
太陽が囁いたのがたとえ絶望の歌であっても
惑わないように 染まらないように その身をただ輝かせていればいい」

ワンモアタイムポルノグラフィティ
「One more time 僕らは信じてる
心と心が繁がった時に
きっと新しい明日の風が吹き背中を押してくれる」

 

THE DAY

「踏み出すその一歩一歩が変えていけるさ THE DAY HAS COME」

 

∠RECEIVER・ポルノグラフィティ

 

むかしの話

別に何か言いたいことがあるとかそういうことではなく、ただふと久しぶりにミスチルが聞きたくなって聞いてみたら、もしかして中学生や高校生のときに僕が聞いていた音楽がいまの僕の道筋、あるいはそれを歩むための靴や決意、ひいては∠RECEIVERという概念につながっているのかなと感じた気がしたので、自分のためにまとめておきます。

「好きな曲」と「特別な曲」を分けて考えるとしてね。
好きな曲ってすると「ぜんぶぶっころせー!しねー!ふぁっく!!!!!」みたいになってしまうからね。ミスチルで当時一番聞いてた曲の好きなフレーズ「見え透いた嘘もいい 優しく殺してくれ」「FUCKする豚」だからね。笑
(これはこれでガチ名曲なのでミスチルのBrand new my loverという曲ぜひ。)

僕が中学生のときに聞いていたのは主にポルノとミスチルでした。もちろんみんな大好き林檎ちゃんとかYUKIちゃんとか、ひと通りいろいろ聞いていたけれど。で、高校生のときはポルノとUVERでした。
今でもたまに精神統一として特別な曲の歌詞をノートに万年筆で書いたりもするけれど、当時から(無印の六角ペンとかだったけど)でそれをしていて、そういう曲を思い出して聴き直してみる。そして特に好きな歌詞を一覧として僕のために並べてみようと思う。


Lump of Affection・UVERworld
「愛という言葉へ繋ごう 愛という言葉へ繋ごう
 手を繋ごう 手を差し出すだけでいい
 俺がその手を掴むから
 WestもEastも関係ない そんな人道は此処で消化して
 肌で感じて それを素直に
 愛という言葉へ繋ごう」

これたぶん最近のUVERしか知らない人が聞いたら唖然とするんじゃないかなと思う。サウンドも歌詞も今みたいな洗練性は全然ないから笑 でもストレートに訴えかけてくる強さと愛。たくやくんの歌う「愛」っていつも本当に清く「愛」なの。そこに、高校生が戯れで言うような幼さとか、大人の穢れとかがない。彼が歌う愛なら僕は信じられる。僕もすべての人と手をつなぎたい。あらゆる属性や出生にまつわるものを無視して。それを素直に愛という言葉に。


Roots・UVERworld
「いつだって
 絶望の時代で分かってるんだよ
 歌じゃ世界は救えないことも
 そぅ でも
 変わってく願いを歌うよ
 僕だけでも目は伏せない」

「ぅ」なのが可愛いよねこれ。「愛で救われた事実を人は忘れられないんだ」っていうサビもある。この曲はある意味とても独りよがりなのだけれど、それでも「自分の信じるものを貫く」「自分のできることを尽くして人へ愛を手渡す」というたくやくんの決意が美しい。世界は変わらないけれど、自分が何か行動することで変わる場所ってあるから。そのためにUVERは音楽を、僕は言葉を。ポルノ晴一さんの「僕には何ができる?できることなんかほんの少しだ。でも少なくとも考えることはできる。そして詞も書ける」の、たくやくん版みたいな気がしている。僕が届けられるものを、僕にできることをして、信じて生きる。僕の好きな人にこれがとても似合う人がいて、僕がこれを好きというのはとてもおこがましいのだけれど。

 

病的希求日記・UVERworld
「ねぇ 60億のライト
 凍えて消えそうな
 小さな光を
 その全てを灯してから
 人の私欲贅沢はそれからじゃないの?」

当時は僕ユニセフで世界の貧困で苦しむ子供を助ける人になりたかったんですよね。カルマの坂のせいなんですけど。そこから国際政治を勉強して、ジャーナリズムへ僕の心は動いていったんだけど。だからこの曲は自分の怠惰で聞いてはいけなくて、必死に立ち向かって聞いていた。「悲観と向き合う人の心に 一つも陰りなんて無かった」という歌詞もあって、そこに驕りや陰りや迷いがあってはならないのだと、もちろんお金とかも必要なんだけど、愛の純粋なちからも必要なんだと、今の僕も思い続けている。


掌・Mr.Children
「ひとつにならなくていいよ
 認め合うことができればさ
 もちろん投げやりじゃなくて
 認め合うことができるから
 ひとつにならなくていいよ
 価値観も 理念も 宗教もさ
 ひとつにならなくていいよ
 認め合うことができるから
 それで素晴らしい」

これ解説いらないよね!?今の僕の価値観の基準のひとつがそのままこの歌詞です。ひとつになることも、愛し合うことも無理でも、認めあい、受け入れあい、憎みあわないことならできる。そうやって哀しみの連鎖を切断する。寛容、需要、承認。僕がすべての戦争やマイノリティや異文化への弾圧に抗議する理由のような歌詞です。


Any・Mr.Children
「そして僕は知ってしまった
 小手先でやりくりしたって
 何一つ変えられはしない」
「今 僕のいる場所が 望んだものと違っても
 悪くはない きっと答えは一つじゃない
「愛してる」と君が言う 口先だけだとしても
 たまらなく嬉しくなるから それもまた僕にとって真実」

答えはひとつじゃない。僕だって人生における想定外のトラブルに殺されて今を生きているけれど、だからこそ得られたもの、だからこそ登れたステップ、だからこそアップデートできたものがたくさんある。嘘かもしれないと疑うことよりも、目の前にいる好きな人の言葉をただ信じる力。とても難しいけれど、信じることで初めて生まれるものももある。相手のことも、自分のことも、信じること。疑うほうが簡単だからこそ。


タガタメ・Mr.Children
「この世界に潜む 怒りや悲しみに
 あと何度出会うだろう それを許せるかな?」
「子供らを被害者に 加害者にもせずに
 この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
 でももしも被害者に 加害者になったとき
 かろうじて出来ることは
 相変わらず 性懲りもなく
 愛すこと以外にない」

HEROよりこっちが好き。許すこと。信じること。悲しみや怒りを受け入れること。愛せなくてもいいから理解すること。受け入れあい、抱きしめ合うこと。罪を憎んで人を憎まず。あなたと、将来と、目の前の子どもを、愛すること。大きな海の中で。受け入れあうこと、許し合うこと。愛することと信じること。僕の目指すもの。


デッサン#2・ポルノグラフィティ
「そこで待ってていつかは会いに行くよ
 話したいことが両手にいっぱいに溢れてる
 その時まで僕なりに頑張ってみる
 そしたらもう一度抱きしめてよ」

大好きだった友人がなくなったとき、僕を救ってくれた愛の歌。ねえ、君が好きだったKAT-TUNはいまはもう3人なんだよって言ったら信じるかなあ。祖父も祖母も、いつか僕をもう一度抱きしめてくれるって信じている。


Seach the best way・ポルノグラフィティ
「運命が僕を追いかけるくらいに
 清潔な衝動に正直でいたいんだ」

当時から今まで、僕の合言葉。ずっと自分の清潔な衝動に、確かに動いた心に素直であろうとしてきた。うまくいかないこともあったけど、いまはますますそれを大切にしている。何かのカテゴリーに負けることもなく、縛られることもなく、僕はただの僕であるように。


Don't call me crazy・ポルノグラフィティ
「今に見てろ」

何かをやっつけるときの、そして一瞬の我慢を強いられるときの、僕の合言葉。「今に見てろ」。

 

ちょっと満足した。あとで今の自分が大事にしている曲の歌詞も羅列しよう。

 

just call to say i love you


情報を発信して自分の状態を他人に伝えることがものすごくイージーになった今だからこそ、まず真っ先に(あるいはSNSとか噂話よりも先に)、その人の大切な話を聞かせてもらえるというのは本当にありがたくて嬉しいことだなと思う。
大事な友達、という存在が自分の人生をポジティブに変えてくれるなんてことはわかりきっていることだけれど、改めて感じることが多いから、改めて書いておく。

話の内容はなんだっていいんだ。晩飯が美味かったとか、これ面白そうだから今度行こうよとか、ほんとなんでもよくて。あるいは考えていることや悩んでいること、知りたいことでもよくて、本当になんでもよくて。
それそのものの大きさに関わらず、誰かの打ち明け話の相手に自分がなれるというのは、本当に嬉しい。その相手として自分を選んでくれたことを光栄に思う。
なんでもいい、どんな話でもいい。人に言える話でも言いたい話でも言えない話でも、言いづらい話でも、言うほどでもないかなって内容でも、どんなことでもいい。苦しみや悲しさ、言いづらい話をしてくれるならなおさらありがたい。感情を吐露することの難易度は人によれど、体力を使うことであることに変わりはないから。
僕は他人への自分の好意は基本的に片思いだと思っているから、だから、そういうひとことをもらえるだけで、なんだかその片思いが報われたような気持ちになる。
僕が、あなたの打ち明け話ができる相手でありつづけますように。そのために、これからも続くその一瞬一瞬を、その人と向き合って誠実に生きていかないといけないと思う。これは自戒を込めて。

あまりにも自分が人間関係に恵まれて救われているから、どうしたらこの感謝を返すことができるのか、どうしたらあなたや君や好きな人やみんなにお礼ができるのか、悩んでしまう。みんな本当にありがとう。好きな人がたくさんいる人生は、本当に幸福です。たとえあなたがあなたを嫌いでも、僕はあなたのことが好きだし。とにかくお礼を言うことしかできなくて、それじゃぜんぜん足りないけど、でも今出来る精一杯をしています。好きな人に好きと、ありがとうと言える幸福を噛みしめている。

ツイッターでもラインでもなんでもいいから、ああ、誰かに話したいなと思ったら、連絡してね。わりとどんなことでも聞けると思います。そういう存在だと示すことができる自分になれるように、僕がんばる。

愛と感謝と誠実さ。僕の大好きな人にとって、わずかでいいから僕にできることがありますように。

 

 

ベルリンの壁を壊した力を信じる


僕は海の中を好きなように好きなだけ泳ぎ踊っているお魚で、他にどんな魚がいても、どんな種類の動物や植物がいてもいいし、海からつながる川ではそれを憩いにしているたくさんの生き物がいるのだろうこともわかる。人間が海に潜ったり泳いだりして楽しんでいるのも知っている。
海はなんでも受け入れるすべての受容の源であり、同時に、すべての生き物へ水や癒しを提供する愛の源でもある。地球の生命が始まったのは海からだし。天気が悪いと波と一緒に僕の気持ちが荒れることもあるけれど、それはごめん。うまく避難して。でもまぁ海がきれいならだいたいなんでもオッケーだ。
ただ僕が1つだけ受け入れられないのは、その海を汚そうとする人たち。ゴミを投げ入れたり、サンゴ礁を削り取ったりする人たちだ。そんなうつろな連中への慈悲はない。

僕は「分断」「嫌悪」「差別」から生まれる力よりも、「受容」や「寛容」、そして「愛」から生まれるものの力を信じている。
海のサンゴ礁を削り取るようなうつろな人々は、分断や差別を支持することが多いように思う。
言うまでもなく、すべてのものを愛せるはずもない。でも「拒絶」することよりも「理解」「許容」することこそが、これからの時代を生きる僕らに必要な力だと信じている。

そして往々にして「無理解」「無知」が「嫌悪」や「拒絶」を育んでしまうと僕は思っている。
だから僕は自身が学ぶことを絶対にやめない。
その学び得たことを伝え広め、「知る」ことでうまれる「理解」を多くに促していくこと、拒絶を受容に変えていくことが、大げさに言えば自分の使命みたいなものなのだと感じている。

僕自身が「分断や差別よりも、受容や愛のほうが美しい」ということを体現できるようにならなければならない。それこそが∠RECEIVERのあるべき姿だと思う。
世界で自然が起こす災害のようなことはもちろん、嫌悪や暴力が起こす悲しみも、すこしずつ「受容」による愛の世界に変えていきたい。せめてこの両腕が届く範囲だけでも。

分断や差別よりも、需要や愛のほうが美しく、より多くの人に優しい。それを言葉にし、声にし、体現していきたい。

某米新大統領を僕は支持しない。なんだかんだそれなりにこなすのだろうけれど、その影でなんらかのマイノリティが損なわれるようなことがあってはならない。それはこの国でもだ。日本の現政府はマイノリティを損なうことを気にしていない、ゆえに支持していない(他にも理由はたくさんあるが)。マイノリティを損なうことよりも、与え合うこと。弱者から奪うよりも、分け合うことを。豊かさは剥奪からは生まれない、豊かさは与え合うことで生まれる。


はい、厨二病です。どうとでも言ってくれ。でも僕は自分の動作性IQを犠牲にして得た言語性IQの高さは、このためにあると最近思えてならない。ここ数ヶ月で僕の頭の中はどんどんクリアになっている。捨ててでも得るべきものはあるんだと。はい。厨二病です。

 

 

part time love affair

ポルノ新曲のカップリングが自分の中の爆心すぎたので自分を殺さないために文を書きました。まだ聞いてない人はやめておいてね。推敲すらする体力ないからできがひどくても誤字があっても叱らないでね。しんどい。なんて曲だ。新藤め。

 

 

*****

 

パートタイム・ラブアフェア

 

 

きらり、と彼女の左手で指輪が光る。薬指だ。控えめな、それでもしっかりとしたつくりのダイヤモンドの指輪は、美しく笑うあなたにとてもよく似合っていた。
「弟だとしか思えないわ」
そしてその美しい微笑みは、僕に残酷な現実を突きつける。
「なら、弟でいい」
他の選択肢はなかった。賭けだ。
「弟としてでいい、僕と、僕と」
その微笑みはすこし困ったように変化し、そしてほどけるような苦笑に変わった。僕はその変化に見惚れてしまわないように、必死にひたむきにまなざしを送り続ける。

弟になりたいわけじゃない。でも、縁を切られるよりは、マシだ。せめて僕をあなたの浮気相手にして。賭けた。
「…指切りしましょう」
「え?」
「弟として、でいいのなら」
それをあなたが誓えるのなら。
それは賭けに負けた僕への最後通告だった。

僕はその場でそれを拒むこともできた。発言を撤回して、弟、じゃなくて、あなたの恋愛対象に僕をしてよ、とごねることも、できたはずだった。
きらりと光る指輪が憎い。出会ったときにはしていなかった指輪、自分の気持ちに気づいたときにはもう手遅れだったその指輪が、憎い。…あなたのパートナーが、憎い。
その最後通告に、僕は小指をゆっくりと突き出した。奪えない薬指のその隣、無力な小指。
そうして、僕とあなたの「浮気未満」な関係が始まったのだ。

甘いデート、ときには手を繋ぐデート。楽しく映画を見て、感想を語り合いながらディナーをしたり、ショッピングをしたり。はたから見ればきっと恋人に見えるはずだ。でもたとえば食事代を全額出そうとすると「弟のくせに」と小突かれる。一度もカッコつけさせてもらえない。
僕は。僕はあなたの弟になりたかったんじゃないはずなのに。どうして。やさしく、ちょっと仲が良すぎる姉弟なんかになってしまったのか。僕が初日に交わした契約を、あなたの指輪越しに睨む。あなたは気づかないふりをする。
スパークリングワインではなく、スパークリングウォーターで食事を終える。恋人同士の解散にはいくらか早すぎる時間だ。これからあいつとワインを楽しむ彼女を、僕はドライバーとしてノンアルコールで送り届けなければならない。弟として。
彼女の小指以外に触れたことはない。僕らの関係は浮気ですらないのだ。浮気の、ほんのうわべのほうをなぞりながら、姉弟と呼び合う。僕にとっては嘘の呼び名、彼女にとってはどうなのかはわからない関係性。それだけだ。
車のドアにあなたが手をかけた。
(帰したくない)
心の底からそう思う。けれど選択肢はない。彼女の…姉の最寄り駅まで、僕は車を走らせる。

「あなたはわたしの弟ではないでしょう」

その一言を、ただ望んでいる。それが、僕らがようやく浮気に発展できるものだとしても、たとえ関係の終わりを告げるものだとしても、それでもいい。僕には言えない言葉が、あなたからほしい。このパートタイムの浮気ごっこ、兄弟ごっこを、終わらせられるのなら、それでいい。
どうして僕じゃダメなの、どうしてもっと早く出会えなかったの、どうしてせめてきっちり浮気をしてくれないの、どうして弟だなんて言ってしまったの。消えていく疑問符。自分からは決して仕掛けることのできない終止符。

「またね」

車から降りたあなたを追いかけられたら。取り出した携帯電話を唇ごと奪ってしまえたら。せめてあなたにとって僕が弟でなくなれば。
フロントガラスに叩きつける雨粒と一緒に、僕のため息がなんの猶予もなく地面へ落ちて死んでいった。「弟でいい」と望んだはずのつながりすら、絡まるほどにほどけていく。

 

 

 

世界報道写真展に行ってきました -できることからコツコツと

 

世界報道写真展、見てきました。

今年も美しい写真から酷い写真まで様々、素晴らしい展示でした。

僕がいちばん心揺れたのはシリアでの写真。内戦が5年めに突入したシリアの現実。テロや空爆で居場所を失い、家族を失う人々。なんの罪もない、僕らと同じ市民たち。

(蛇足だけど、パリのために祈立た人の中にどれだけこれだけの年数、凄惨な現実がシリアやそのほかの国で起きていることを知っているんだろう、どれだけの人がその国の人々のためにも祈ったのだろう、と考えてしまう。性格が悪い。)
テロで全身血だらけになった娘を抱きかかえ、呆然と娘の顔を見つめる父親の写真が忘れられない。娘は死んでいる。血まみれで、なんの医療が施されることもなく、ただ白い服が赤く染まったまま眠っている。
アブド・ドゥマニー氏の写真。
AFPがまとめてくれていた。僕が特につらかったのは2枚め。もろご遺体とか写ってる写真だから気をつけて。
https://daysjapan.net/taishou/2016/third01.html

大賞をとっていたのは「国境を越える難民の赤ちゃん」の写真。有刺鉄線をくぐり抜けるように手渡される小さな命。空爆やテロで脅かされないうちに、と。カメラマンもフラッシュを炊けば監視のテロ隊に捕まるというので、月明かりだけでギリギリとった写真だそう。こちらもAFP。
https://www.google.co.jp/amp/www.afpbb.com/articles/amp/3077505?client=safari

こういう写真展で世界の壮絶な現実を見せられると、「この人たちのために何かしたい」「この子の境遇を変えるために何かしたい」と思うし、それは僕のむかしからの「将来の夢」でもあるのだとひしひしと感じる。高校生までは本気で「ユニセフで働いてカルマの坂の少年を救う人になる」と思っていたし、その後も海外の戦地と日本の貧困に迫るジャーナリストになりたかったし。もうそれを職業にする気はないのだけれど、でも生き方として、考え方としては失いたくないと思っている。

じゃあ、ジャーナリストとしての生業、医療の技術、海外で子供を救うために必要なスキルをなにひとつ持たない僕にできることは?
答えは簡単だ。それは寄付と、勉強と、伝えてもらった現実をさらに広めること。これしかない。それをするしかない。そして現実にそれら3つをコンスタントに行い続けるためには勉強に向き合う基礎体力、自立した稼ぎ、どちらにも余裕がなくてはならない。端的にいうと今の僕はどちらもマイナスだ。

去年までの僕なら、マイナスであることを嘆いていた。たぶんそれで帰ってきてメソメソして終わっていたと思う。
でも、今の僕はもう違う。僕はできる限り早く心療内科に通わずに済むようにならなければならないし、精神安定剤を手放せるようにならなければならない。そしてフルタイムで働いて寄付するだけの金銭的な余裕を持たなければならない。そのための行動をとる、と確信を持って、怠らない決意でいる。怠ったら叱ってくれる友人もいる。

自分が無力であるという当たり前のことを感じたときに、諦めたり、それを言い訳にしたり、陶酔するのは極めて簡単で、だからこそ、自分が力を手にするためにはどうしたらいいのかをこそ考えなければならないなと思ったって話です。
僕が他人のために行動するためには、僕はまず健康にならなくてはならない。その現実をやっっっと受け入れられるようになった。そんなのものすごく当たり前のことなのにね。もう僕はジャーナリズムを仕事にはできないだろうと振り切ったからこそ思えるのかも(その手の仕事で金を得るには、うつ病という病歴はものすごくハンデだし、それ以外の理由でも、僕はそれを仕事にできないんじゃないかと思うようになったのだ)。
まずは健康になるぞ〜〜。勉強するぞ〜〜。勉強は今からでもできるからね。

まぁ簡単に言うと思うところにドカンと寄付できるようになるくらい働け、働けるようになるまで回復しろ僕!!!!という話なのでした。3ヶ所くらい寄付したい先があるんだけど金がねえからな。
そしてもちろんそのためにポルノ追いかけるのをやめる気もないしな。笑

欲張るなら欲張れるだけ稼げというだけのこと。そのためにまず薬飲む量減らして毎月の医療費安くしようぜ。まず睡眠薬減らそうぜ。聞いてよ、最近薬飲まなくてもちゃんと眠れてるんだ。すごくない?

 

ダイアリー16/11/02 マジでただの日記

 

いま、させてもらっているお仕事柄あんまりどんな仕事してるのかネットに書けないのだけど、今日とても嬉しかったから書き残しておく。

 

「絶対もっとよくできる」と思って、1ヶ月頑張って、先週した提案が、通った。今日試したら、次から毎回採用されることになった。

わーい!単純に嬉しい!昨日の夜めっちゃ準備したし!笑

いま、まぁ簡単に言うとものを教える仕事をしていて、ほんと教わる人のためにどうしたらいいか、何をしたら次のステップにより円滑に進めるか、どうしたら楽しくインプットされる量が増えるかって、むっっっちゃくちゃ難しくて、悩んで実践してを繰り返している。

今日はひとつ、それが報われた日!

でも毎回やるとなると僕の負担が増えることでもあるから、自分の勉強もちゃんとします。僕が学んだことがもれなく、即座に教わる人たちに還元される。その人たちのために必死に勉強したいし、もっともっと磨いていきたい。技術とかいろんなものを。

ものを覚えるためには、自分の知的好奇心だけではなくて、誰かのために還元する気持ちがないと、って話を前に心の師匠としたんだけど、いまそれを痛感している。

 

なにより、僕のワガママを取り入れてくれた環境と、そのために僕に指導してくれる素晴らしい先輩方に、心からお礼を言いたい。次に会ったら言おうと思う。

 

っていう、ガチで日記。嬉しくって、つい。

働けて嬉しい。働かせてもらえて嬉しい。ありがたい。自分の持てるものを全て還元したい。わずかだけど、時間も足りないけど、できるかぎりすべてを。いつか誰かの何かに僕がなれたらいい。僕のことは忘れてくれていい。ただ未来に何か踏み出すときのハードルを、僕がこっそり下げておけたらいいな。

僕の好きな人はみんな幸せになるんだ。