人生のスタンプラリー

人生のスタンプラリー認定協会埼玉支部

「正木郁という物語」に寄せるファンのひとりごと

正木郁という物語、に夢をみるオタクのひとりごと。

※以下全部、個人の戯言です。
※舞台 大悲に言及しています。ネタバレはないけど気をつけてね。


***

「応援してください、と頼むことはしません。ただ、僕を見ていてください。ハートは僕がつかみます!」

ハンサムフェスティバルという大きなイベントで、デビュー1年目の彼が放った「壮大な夢物語」が、現実になるのを体感している。まだ、彼がデビューしてから、3年と少しだ、と思う。正直、信じられない。

僕は、彼が芸能界デビューしたドリフェス!のファンだけれども、郁くんas千弦くんが所属するDearDreamではなく、ライバルユニットKUROFUNEのほうが好きだった。だから、郁くんを熱心に追いかけて、全通して……というわけではない。
でも、目を離せない魅力がある。だから、ちまちまではあるけれど、彼の舞台や活躍を見に行くことにしている。

郁くんの初舞台だった「片想い」を見たとき、僕はこう書いている。

「ああ、この子を応援したい、この子が役者として大成するのを見届けたい、この子がもっともっと役者として素晴らしくなっていく瞬間の目撃者になりたい。そんなふうに思わせてくれる、素晴らしい役者さんでした。」
http://bookmarker35.hatenablog.com/entry/2017/08/06/215400

そして、今日も僕は、正木郁くんが役者として素晴らしくなっていく瞬間の目撃者になりたい、とひしひし思ったのです。

あれからいろんな舞台で彼を見たけれど、見るたびに「ここが良くなってた!」「前回よりも魅力的だった!」と、心を躍らせることができた。初主演だった男子はつらくないよ?のときも、推しの戸谷さんを見ながら、郁くんもほんとうに素敵だ、とワクワクした。

今日、出演している大悲という舞台を見てきた。実際の無差別殺傷事件を題材にした、すごくシビアな舞台だった。弁護士、被害者、加害者、死刑、命、正義。そのほか、あらゆるものについて、思考を巡らさざるを得なかった。
ファンタジーでもなく、歴史モノでもなく、ポップでもコメディでもない。現代社会のシビアさ、に淡々と向き合う舞台だ。ド派手なミュージカル、ハッピーな拍手喝采が好きな人には、あまり向いていないかもしれない。

ここでは、ネタバレになってしまうしその舞台の本筋にはあまり触れないけれど、またそこに初めて見る「役者・正木郁」がいた。
そんな演技もできるのね、そんな声も出せるのね。そんな涙も汗も、流すことができるのね。
脚本がまずすごく面白く、しかも名だたる実力者たち。西村雅彦さんはやはり「格が違った」し、玉城裕規さんも圧倒的だった。壮一帆さんも、名優なのだと一目でわかった。
そんななかで、郁くんも、すごく魅力的だった。演技も、重かった。腹の底に響くような音と、唸る声。声にならない悲しみと後悔。
がっちりとした体つき、筋肉、精悍で凛とした青年。目で演じる彼の視線ひとつ、握られて震えた拳ひとつで、ここまで心を揺さぶられることができるのか。

きっと、初舞台だった「片想い」のとき…2年前の郁くんが、今回の役をやっても、ここまで心は震えなかっただろう。
正木郁は、ずっとずっと進化している。見るたびに新しくワクワクさせてくれる。そこにある努力の痕跡をなぞらせてくれる。役者として、「今が最高」を、更新し続けてくれている。
だから、今回の大悲での演技に、説得力があった。ありすぎて、背筋が凍るほどに。

また、僕は先のブログで、彼を「憑依型の役者」だと評したけれど、いまは違うと考えるようになった。カメレオンでもない。ただ、「努力型」なのだ。感情がとても豊かだから、自分の演じる役に一生懸命こころを入れ込んで、感情移入する。きっと一公演ごとに。役と、感情を「わかちあおう」とする。

これはいちオタクの見解にすぎないけれど、郁くんは、決して「器用」ではない、と思う。芸能生活と両立していた大学生活では、友だちは2人しかできなかったなんて言っていたから、根っから明るいハッピーな人でも、ない、ような気がする。
不器用で、感情豊かで、実直で。
芸能人として、俳優として、才能に満ちているか?と言われたら、そういう人はもっと他にいるかもしれない。でも、彼は「芸能界」という場所で咲き続け、正木郁という役者を続けて「夢」を見させてくれる、天性と魅力に溢れている。

正木郁は、物語なのだと思う。

「見ていてくれたらハートは掴む」
冒頭にもあげた、ハンサムフェスティバルでの彼のセリフだ。並大抵の器じゃ、あるいは覚悟じゃ、そんなこと言えないだろう。
結果、ただ「見ている」僕は、いま「正木郁」という役者の物語の次のページが楽しみでたまらない。デビューという第1章にはじまり、初舞台、初ライブ、初主演…いろんなことを重ねていく郁くんの1ページ、1ページが、ほんとうに面白い。
ハートを掴む、という、夢のことば。ファンサービスの言葉を、彼は実現している。僕はそれを体感している。

全通して認知されているような、そんな熱心なファンではない。こんな僕ですら、彼の物語の次のページに、必死に手を伸ばすし、見逃したくない、と思う。
冒頭だけでこんなに面白い物語なら、かりにすこし中だるみしたとしても、さいごには傑作たり得るだろうという、確信すらある。

役者「正木郁」という物語の、目撃者で、これからもいたい。
たとえば彼が30歳になったとき、そこにどれだけ素晴らしい物語があるのか、いまから楽しみでたまらない。


かおるくん、デビューしてくれて、ありがとう。あのとき、千弦と手を取ってくれて、ありがとう。今日のかおるくんの演技を見たら、チヅはきっと目をまんまるにして、負けていられない!と、ワクワクするんじゃないかな。僕は今日、あんなに苦しくて重い舞台でも、あなたという物語に、すこし気持ちをスッとさせてもらえました。
かおるくんの満ち足りたいまと、輝く未来と、極上のランディングを祈ります。
微々たるものだけれど、僕のエールも、どうか届きますように。